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2019.09.20Kのこんなデザイン見つけた!|採集No.5
今回はいつもとは趣向を変えましょうか。
サインや看板というものは屋外に置かれる媒体のため、紫外線や風雨といった過酷な環境に晒され続ける運命にあり、まさに雨ニモマケズ風ニモマケズ状態です。
それらは幾年月を重ねることで当然劣化していき、宿り主である建物と共に味わい深い趣を深めていきます。エイジングというやつですね。
という事で今回は私の目にとまったエイジング系の看板をご紹介。〈サンプルA・B〉筆文字系です。
昔の塗料は現在とは違って紫外線に弱かったのでしょうか。
お家では影の薄いお父さんのように…文字が消えかかっています。
サンプルAは雨だれの錆が加わり、侘び寂び感を醸し出していますね。
サンプルBに至っては渾身の筆書きです。とめはねの痕跡もうっすらと見られて面白い。〈サンプルC〉立体看板系です。
これは材質自体が板金だからか、良い錆が出ていて味わい深い。
建築物としてもセンターの小窓が可愛らしいのが見所の一つでした。〈サンプルD〉
何て書いてあるのか読めない系。
PTIOIAN IHIBATA?
どうもパーツが欠落しているらしいし、デザイン重視のタイポグラフィのようですね。
OPTICIAN SHIBATAと解読(Oにしか見えないC。Sも難読…)。メガネ屋さんでしたか。
こうやって謎解きをする要素があるのも楽しいなと再発見。
ちなみに渋ビルではおなじみの角丸サッシの窓である事もポイントが高い。〈サンプルE・F〉
これも筆文字系ですが少し珍しいタイプの看板です。
手で触れていないので確信はありませんが、古めかしさからみてガラスに書かれた電飾看板のようです。
表面の均一な光沢感から察するに裏側から鏡像で文字を書いた後に白い塗料を全面に塗ったのだろうなと推察。
よくぞ今日まで割れずに残っていてくれました。これは貴重!今回紹介した看板はおそらくどれも閉店したお店と思われますが(違っていたら御免なさい!)、本来の役目を終えてもその存在感が感じられるのは、そこに店主の愛着や職人の技が籠もっているからなのだろうなと思いました。
〈writing:兼松〉
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